2008年10月31日金曜日

わび さび


  
生きていると
目に見えないこと
形にならないことで
人の世話になっていたり
迷惑をかけていたりする

こうしたことが何なのかを
具体的に気がつくことは難しい
 
過去にお世話になったことも忘れてしまいがちだ

何かやってもらったからお返しをする
やってもらっていないから何もしない

これでは人間関係のバランスは取れない

自分の気がつかないところで
誰かの世話になっているかもしれないという意識が
潤いある人間関係を作ってゆく
 
やってもらったことが具体的に確認できなくても
人様のために動くことで
はじめて人間関係のバランスがとれるのだ

この行為には感謝の気持ちがふくまれている
  
   
状況を察する、相手を察する

気がついたことがあれば人様のために動く
 
このことは本来日本人がもっている

「 わび さび 」の世界に
つながるのではないだろうか

   

2008年10月24日金曜日

情報


  
ネットが普及する以前
さらにはテレビ、雑誌などの情報が
さほど頼りにされていなかった時代
情報は口コミによってもたらされていた

人と人とのつながりが情報源だった

質の高い情報がほしければ
質の高いコミュニケーション能力を
身に着けていなければならなかった

聴く力のある人のところへは
様々な情報が様々な人たちから寄せられた

質の高い情報を持っている人は
質の高い人間性を持っていたのだ

それゆえ人間性を磨くことは世界を広げることにつながった

知りたければ教えてもらわなければならず
あいさつなどの礼儀作法ができなければ
相手にもされなかった

礼儀作法や道徳観念を持っていることが
最低限の情報収集能力にもなっていたのだ


ところが

インターネットが普及するようになると
コミュニケーション能力がなくても
情報を得ることができるようになった

そのためネットを通して得た情報は
「 人間力 」を介していない
   
礼儀作法や道徳観念を持っていなくても
情報が手に入るようになってしまった

情報を得るために人間性を磨く必要性は薄れてしまったのだ

口コミによって支えられたお店は
それなりの雰囲気や趣があったものだ

こうしたお店は
最低限の人間性とコミュニケーション能力を
兼ね備えた人たちによって支えられていたのだ

しかしネットが普及してから
売り上げは伸びたものの
店の雰囲気や趣はすっかり変わってしまった

ネットの普及は情報収集を容易にした反面
人々のコミュニケーション能力を低下させ孤独を生んだ


どんなに情報化が進んでも
原点は
生身の人と人とのつながりであることを
忘れてはいけない
   
    

2008年10月17日金曜日

特性


  
カメラのレンズを買った

高価なレンズで半年以上悩んだ末手に入れた

ところが写真を撮ってみると・・・
 
思っていたように上手く撮れない
 
期待していた画質が得られない

慣れないためなのか・・  
   
1年以上が過ぎ、
このレンズには強い癖があることがわかってきた
 
平均点狙いの
万人受けするレンズではないのだ

そのため特性が発揮される領域は非常にせまく
この領域に入らないと絵にならない
しかしこのせまい領域に被写体が入った時は
他のレンズを圧倒する

特性にあった使い方をした時のみ
レンズは生きてくるのだ
  
最も力を発揮する場面はどんな時なのか
どんな被写体が得意なのか
弱点は何か・・
 
こんなことを考えながら使っていると
見えてきたことがある


それは「 人間 」も同じだということ
 
 
万人受けを考えているうちは
なにも見えてこない
 
自分の最も優れている部分はどこなのか
最も得意な分野は何なのか
もっともっと考えるべきではないか
 
その人の特性が生かされた時
世界は変わる